基礎から学ぶ遺言相続講座(遺言9)

遺言書を作成する前に準備することは?

 いずれの方式の遺言書を作成するにしても、作成に当たっては、次のような事前準備が必要になります。

1 戸籍謄本を入手して、推定相続人と各推定相続人の相続分及び遺留分を確認します。

  戸籍謄本は、生まれてからのものをすべて取り寄せます。転籍している場合は、そのすべてを取り寄せて、生まれてから現在までの戸籍の内容がすべてつながるように収集します。

  兄弟姉妹以外の相続人には遺留分がありますので、遺留分を遺言書の内容に反映するかどうかを検討するために、遺留分の有無、割合などを確認します。

2 財産・債務の一覧表(リスト)を作成します。

  ご自身の所有する財産や債務をすべて書き出します。スマホやパソコンのデジタル資産の契約内容やパスワードなども、家族が困らないようにメモしておきます。

3 相続人のうち、誰に何を与えるのか、遺言内容を検討します。

  特に、自宅を将来どうするのか(誰が住むのか、残された配偶者に介護が必要になった時には自宅をどうするのか、誰もいなくなった場合には売却するのかなど)、残された家族(障害のある子や引きこもりの子など)の生活費の手当はどうするのか、生前の贈与を含めて子供たちの間の遺産分けのバランスをどうするのか、などの点を検討します。

4 登記事項証明書や預金通帳などを用意します。

  財産目録をワープロで作成したり、財産目録の代わりとしてコピーを添付するため用意します。

5 遺言執行者を誰にするかを検討します。

  遺言書に遺言執行者を定めてないと、相続開始後に速やかに遺言内容を実現することができません。できれば信頼できる者を決めておき、その者の了解を得ておくとよいでしょう。 

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