基礎から学ぶ遺言相続講座(遺言10)
自筆遺言証書の要件は?
自筆証書遺言が有効になるための要件は、民法第968条第1項が規定しています。
「自筆証書によって遺言をするには、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」
1 全文
全文とは、本文及び財産目録のすべてを指します。ただし、民法改正により、2019年1月13日以降は、財産目録は自書でなくてもよくなりましたので、例えば、財産目録をワープロで作成することや、あるいは、「登記事項証明書」、「預金通帳」のコピーを添付することでもよくなりました。
※財産目録の毎葉には、署名し、押印します。
※本文及び財産目録の各葉に通し番号を付番します(1/3、2/3、3/3)。
2 日付
西暦でも和暦でも構いません。例えば、「令和4年1月31日」と年月日をはっきりと特定できるように記載します。「令和4年1月吉日」では日付の特定ができませんのでダメです。逆に、「令和4年誕生日」ならば、日付が特定できますのでOKです。
3 署名
戸籍上の氏名を記載します。
4 押印
実印でなくても構いません(認印でも可)。シャチハタはダメです。
5 その他
①用紙は、何でも構いません。縦書き、横書きはどちらでも可です。
なお、法務局保管の自筆証書遺言では、A4サイズの紙を使用します。
②筆記用具は、ボールペン、万年筆を使用して書きます。消せるベールペンはダメです。
③訂正のルールは、厳格になっていますので、間違えたら書き直した方が良いでしょう。