基礎から学ぶ遺言相続講座(相続10)

相続財産の範囲は?

 相続が開始すると、被相続人の財産に帰属した一切の権利義務は、すべて相続人が承継することになります(民法第896条)。

 したがって、所有権などの物権、債権、債務、無体財産権、財産法上の地位(契約上の地位)などもすべて相続人に承継されます。

 これに対して、被相続人の一身専属権に属するものは、相続人に承継されません(民法第896条但書)。例えば、生活保護受給権、年金受給権、扶養請求権、婚姻費用の分担請求権、親権などがこれに該当します。

 注意すべき点としては、

1 祭祀主宰者の承継(先祖の祭祀のための財産をいい、例えば、系譜、祭具(仏壇仏具、位牌など)、墳墓(墓地)など)については、相続財産とはならず、相続とは別のルールで承継者が決定されるということです。これについては、被相続人の指定や慣習又は家庭裁判所の定めによって、先祖の祭祀を主宰すべき者が承継することになります(民法第897条)。

2 死亡退職金や生命保険金についても、いずれも相続財産とはなりません

 死亡保険金については、会社の支給規定の定めによって、受給権者となる遺族が固有の財産として取得することになります。また、生命保険金(死亡保険金)についても、保険契約において定める保険金受取人が契約に基づいて固有の財産として取得することになります。なお、受取人を「相続人」と定めている場合も、相続人固有の財産となります。

 ただし、相続税法との関係では、死亡退職金や死亡生命保険金については、相続財産とみなされて(相続財産ではないものを相続財産とみなして計算することから、「みなし相続財産」といいます。)、相続税の計算上は遺産(相続財産)に含めて計算されることになります(相続税法第3条第1項第1号、第2号)。

3 保証債務については、個人的な信頼関係に基づくものであり、保証の内容や責任の内容が不明確であることから、限度額や機関の定めのないものは相続税が否定されていますが、保証人の死亡前に具体的に確定したものであれば、相続されることになります。 

 

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