基礎から学ぶ遺言相続講座(相続11)

寄与分とは?

 共同相続人の中に、被相続人の事業に関する労務の提供や財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により、被相続人の財産の維持又は増加に寄与をした者(寄与した者は、相続人に限ります。)があるときは、共同相続人の協議で、この者の寄与分を定めることとし、協議が整わないとき、または協議ができないときは、寄与した者の請求により、家庭裁判所が寄与分を定めることになります(民法第904条の2)。

 寄与分とは、遺産分けにおいて、この分を別枠でもらえるものになります。

 具体的には、寄与分のある相続人の相続分の計算方法は、次のとおりとなります。

①相続開始時の相続財産の額ー寄与分額=みなし相続財産の額

②みなし相続財産の額×各人の法定相続分=各人の具体的相続分の額

③寄与者の具体的相続分の額+寄与分額=寄与者の具体的相続分の額

このような計算により、寄与した者の相続分を、法定相続分よりも多くすることができる制度となっています。

 なお、寄与した者は相続人に限られること、特別の寄与であるので通常の夫婦の協力扶助義務の範囲内や親子などの扶養義務の範囲内のものは寄与に当たらないこと、財産の増加に貢献したとか財産の減少を防止することが必要であることに注意する必要があります。したがって、例えば同居して被相続人の介護をしたとしても、家庭裁判所はなかなか寄与分を認めてくれないケースが多いようです。

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