基礎から学ぶ遺言相続講座(遺言14)

遺言執行者とは?

 遺言執行者とは、遺言内容を実現する人になります。具体的には、遺言書の検認請求、相続人の調査、相続財産の調査、財産目録の調製、遺産分割までの財産の保全・管理、その他遺言の執行に必要な一切の行為を行います(民法第1012条第1項)。

 遺言執行者は、未成年者及び破産者以外であれば、誰でもなることができます(民法第1009条)。自然人だけではなく、株式会社や一般社団法人、弁護士法人、行政書士法人などの法人も、遺言執行者になることができます。また、遺言執行者は、一人である必要はなく、万一の場合に備えて数人を指定することもできます(民法第1006条第1項)。遺言執行者が先に死亡してしまうリスクを考えると、複数人の遺言執行者を定めておいたり、あるいは、法人自体が存続する限り遺言執行者の業務を行ってもらえるので法人を遺言執行者に定めておくことは、遺言者にとっては安心といえます。

 遺言執行者は、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有しており(民法第1012条第1項)、遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接その効力を生じることになります(民法第1015条)。

 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分や遺言の執行を妨げる行為を一切することはできませんので、これに反する行為は法律的には無効ということになります(民法第1013条)。

 以上のことを踏まえますと、遺言書の内容を確実に実現するためには、遺言書には信頼できる人を遺言執行者として定めておくことをおススメいたします。遺言執行者には、受遺者となる子や親類、行政書士などの専門家のうちから信頼できる人にお願いするとよいでしょう。

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