基礎から学ぶ遺言相続(相続36)

おひとり様の相続は、何が問題になるでしょうか?

 おひとり様にとっては、余り考えたこともない(あるいは考えたくない)ことでしょうが、おひとり様の老後・死後に起こる問題については、いろいろとあります。

 一般的には、次のような問題が発生すると考えられます。

1 認知症・・・判断能力の低下で、一人では何も契約(介護施設への入所、携帯電話の契約解除など)ができません。

2 財産管理の心配・・・認知症に罹ったり、あるいは骨折などで入院した場合には、自分で預金の引出ができませんので、入院代などの支払にも困ってしまいます。

3 病院・介護施設への入所・・・身元保証人を求められることがありますが、誰もなってくれる人がいません。

4 孤独死・・・不幸にも孤独死となった場合、借家の明渡しは誰が行うのでしょうか、誰も代わってやってくれる人がいません。大家さんから損害賠償請求されることもありますが、親戚に請求されたりすることもあるのでしょうか?

5 葬式の心配・・・葬式は誰が行ってくれるのか、決まっていません。市役所がやってくれるわけではありません。

6 亡くなった後の役所への各種届出・各種契約の解除・病院代の支払・・・誰が行ってくれるのか、決まっていません。

7 死後の遺品の整理・・・誰が行ってくれるのか、決まっていません。

8 残されたペットの世話・・・誰が世話をしてくれるのか、決まっていません。

 これらは、いずれも予め誰かに依頼(委任契約などを結んでおく)していなければ、誰もやってくれる人がいません。自治体がやってくれるのは、火葬を行い、提携する寺院の合蔡墓に埋葬するだけです。

 したがって、これらの問題が生じないように、安心して暮らしていくためには、生前に、あるいは、元気なうちに、信頼のできる人との間で、財産管理契約・任意後見契約や死後事務委任契約などの委任契約を結んでおく必要があります。

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