基礎から学ぶ遺言相続講座(相続37)

おひとり様の老後・相続対策は何をすればよいか?

 前回(相続36)の話を踏まえて考えますと、おひとり様の老後・相続対策としては、次のようなことを検討していく必要があります。まず、今回は、相続対策について考えてみます。

1 まず、推定相続人が本当に誰もいないかを確認しましょう。

 相続人は、配偶者のほか、子(既に死亡しているときは代襲相続人となる孫)、直系尊属(父母、祖父母)、兄弟姉妹(既に死亡しているときは代襲相続人となる甥姪)が誰もいなければ、本当の意味でのおひとり様です。

 よくあるケースで気をつけなければいけないのは、祖父母、父母は既に死亡しており、兄弟(既に死亡)とは絶縁状態であったこともあり、甥姪がいるけれど面識がないというケースです。このケースでは、事実上のおひとり様にすぎず、法定相続人としては甥姪がいますので、遺言がなければ、全く面識のない甥姪が相続人となるということです。もし、おひとり様のあなたが、面識もなく交流もない甥姪に遺産をあげたくないということであれば、どこかに寄付をするといった内容の遺言書を作成しておくことをおススメします。

2 次に、おひとり様の財産は、何もしなければ、最終的には国庫(国)に帰属するということを認識しましょう。 

 おひとり様に相続が起きた場合には、法律の上では、利害関係人が家庭裁判所に対して申立てして、相続財産清算人を選任する手続きを行います。その後、家庭裁判所が、相続人の検索をした結果、相続人がいないとなると、次は、内縁関係にある者や事実上の養子などの特別縁故者からの財産分与の申立てを待ちます。それらの者もいなければ、最終的には、約1年後には全財産は国庫(国)に帰属することになっています。

 おひとり様の中には、国に財産を持っていかれるならば、自分の残した財産は困った人や世の中に役立つような寄付したいという思いを抱いており、その思いを叶えたいという気持ちがある方もいらっしゃるでしょう。そういった方は、ぜひともそのような団体などに寄付をする遺言書を生前に作成しておくべきでしょう。

3 最後に、何も手当てをしなければ、死後の事務をしてくれる人は誰もいないことを認識しましょう。

 おひとり様が死んだ場合には、葬式や納骨はもちろんのこと、遺品の片づけ、役所などへの死亡後の届出手続などは、誰もやってくれる人がいません。死んでもこの辺りのことはきちっとしておきたいという方は、生前に死後事務を誰かに依頼しておく「死後事務委任契約」を結んでおくことが必要になります。

 

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