当事務所の経営理念
「高齢化社会の日本において、高齢者の方々が日頃から持っている長い老後を生き抜く上での相続や認知症などに関する困りごとや悩みについて、私自身の今までに培った知識と経験をもとに、誠実に対応し、分かりやすく丁寧に説明して、高齢者の方々の様々な問題解決の提案を行うことにより、高齢者の方々やその家族(子ら)の方々が、元気で安心して仲良く暮らすことができるような社会を築いていくことにより、少しでも社会の発展に貢献できるような活動をしていきたい。」と考えております。
(ミッション)ー事務所を経営する目的ー
高齢者の方々やその家族(子ら)に対して、相続や認知症といった悩みや困りごとについて、様々な問題解決に向けた具体策をアドバイスすることにより、元気で安心して仲良く暮らせるような世の中となるように取り組み、ひいては地域社会に貢献します。
(ビジョン)ーどのような事務所を目指すかー
お客様の悩みをよく聞いた上で、様々な制度のメリット及びデメリットを提示しながら、お客様にベストな選択をしていただけるように、分かりやすい説明を心がけていき、人々に感謝される事務所としたい。
(ウェイ)ーミッションとビジョンを実現させる方法ー
1 丁寧で分かりやすい説明に心がける。
2 日々新しい知識の習得に努め、自己研鑽する。
3 法令を遵守する、不正はしない(脱税に加担しない)。
私は、大学卒業以来、定年で退職するまでの間、国税局及び税務署で長年勤務してまいりました。
その時に感じたことは、世の中の多くの人々は、税金やお金のことに関して十分な知識・経験がなく、その結果、随分といろいろな面でもったいないなあということでした。そこで、退職して士業を開業するに当たり、このような税金や社会保険や法律に関して十分な知識がない人々に対して、何とか手助けをできればという思いでした。
その中で、相続関係(相続、遺言、遺産分割、後見、相続税申告及び相続対策)を専門業務の一つとして選んだ理由は、公務員(税務職員)として在職当時、財産の分割を巡って争族(相続)争いとなっている事案を数々見てきました。また、知識がなく相談できる人もいないために、土地を巡る相続争いが解決できなかったり、相続税(税金)が支払えないといった事案を多数見てきました。さらに、年金の知識がなかったために、本来もらえるはずの年金が時効でもらえなかったりといった事例もありました。そのような事例を見てきて、もっと良い解決方法があったのではないか、あるいは、もっと初期段階でやっておけばよかった(ベストな選択があった)のではないか、とよく感じていたことです。
また、これからの日本における少子高齢化社会の課題としては、労働力不足の問題はもちもんのことですが、年金問題や医療費の負担問題、認知症の増加などの介護の問題など、様々な課題があります。その中で、一番カギを握るのは、日本の人口の約30%以上を占める高齢者の問題かと思います。高齢者の方々やその家族が、安心して暮らしていくことができる日本社会を築き上げることが、国全体としては大きな課題といえますが、一方で、個々の高齢者やその家族にとっては、各自が安心できる将来を準備していくことが必要にもなってきます。
当事務所では、高齢者やその家族の方々の悩みに対して、誠実に対応し、分かりやすく説明し、あなたの悩み(問題)を解決へと導くことができるサービスを提供します。きっとあなたのお悩みの解決にお役に立てると思います。
相続・終活に関して想うこと
1 令和の相続について考える
相続に関連して、参考までに日本の現状を見ますと、次のような状況にあります。
少子高齢化・超高齢化の進んでいる世の中にあって、日本人の平均寿命は、男性が約82歳、女性が約88歳(2021年)となっており、今後も伸びていくものと思われます。一方で、健康寿命は、死亡する10年くらい前までといわれていますし、平均寿命が伸びた関係で、認知症に罹る人の割合も、80歳以上では4人に1人ともいわれています。
これらの意味するところは、昭和の相続が、80歳から50歳へと、子供の教育費や住宅の取得などでお金のかかる世代への「資産の移転」というイメージであったものと思われます。親の介護や認知症の問題も、今ほど大きな問題ではなかったかと思います。
これに対して、令和の相続では、90歳から60歳への相続ということで、親の介護をしながら自分自身の老後の生活をしていくという「老老相続」というイメージになっているということです。子の世代といっても、既に60歳ですので、既に子育ても、住宅ローンの支払も大半の方が終わっており、むしろ高齢の親の介護の問題とご自身の老後の問題に直面しているというのが一般的ではないでしょうか。 つまり、今の時代は、核家族化に伴い、親と子は(遠方に)別世帯を設けていることが一般的であって、親世代(90歳)に関していえば、遺産の相続や介護、認知症の問題、実家をどうするかという問題がありますが、一方で、子世代(60歳)に関していえば、自分自身は職場を定年退職(若しくは退職直前)し、子供らは概ね大学等を卒業・就職してそれぞれ家族を持って独立しているので、今後の問題としては、自分自身の今後の長い老後(20年ないし30年?)の生活をどうするかという問題(仕事や生きがい、そして生活費のことなど)があるのではないでしょうか。中には、もしかしたら、自身の子供は、就職氷河期の影響で不安定な職についていたり、あるいは、いじめなどで引きこもっていたり、結婚しない(できない)ということを心配をしている方もいるかもしれません。
そうしますと、相続などによる資産の移転についても、親から子へというよりも、場合によっては親から孫への移転を考えた方がよいかもしれません。他方で、相続税法は、2015年(平成27年)の改正(平成27年1月1日施行)により、基礎控除が3,000万円プラス法定相続人一人当たり600万円と大幅に引き下げられて、相続税の申告が必要な人は、全体の約9%へと増えました。今後も、年金、医療、介護の費用に充てる社会保障費は増加していきますので、さらなる増税や社会保険料の負担の増加は避けられないといった状況にあり、相続税(贈与税)の課税も強化されることが予想されます。
相続税の課税の強化により、一般的な家庭では、亡くなった方が自宅と敷地のほか預貯金しかないような方であっても、東京や名古屋市などの都市部では土地の評価額が高いことから、多額の相続税を支払うことが必要になったりします。
他方、最近の相続では、最も難しいのが「遺産分割」であるといってよいかもしれません。戦前生まれの親世代子の意識をみますと、まだまだ先祖代々の土地は守ってほしい、財産は後継ぎの長男にすべて相続させたいという気持ちが強いように感じます。一方で、子供世代の意識をみますと、相続人間では「権利は平等」という意識が当然という考え方の方が多く、現金預金は別として、うまく現物で分けれないのであれば、場合によっては、自宅などの財産を処分して平等に金銭で分けるといった非常にクールな分割のケースも多いのが実情ではないでしょうか。
2 終活に向けて何を考えていくか
世の中では、「終活」という言葉が流行っていますが、皆さん方の中には、具体的な対策は何もしていない、特に何も考えていない、具体的に何をしたらよいか分からない、という方が大半ではないでしょうか。
でも、相続は、予期せずある日突然やってくることもあります。 例えば、脳梗塞や心筋梗塞で突然死したり、あるいは、災害に巻き込まれたり、交通事故で亡くなったりなど、予期しないことも起こります。そのときに、相続に関して何も対策をしていないと、家族は相続財産を探すことにも非常に苦労したり、あるいは、遺産分割でもめて争族問題になってしまうかもしれません。
また、仮に突然死は免れたとしても、脳梗塞で倒れて半身不随となって入院でもすれば、その時点では、もはや相続対策としての贈与契約をしたり、あるいは、病院代の支払のために銀行でお金を下ろすこともできなくなってしまいます。認知症に罹ってしまった場合も、家族が代わって、介護施設に入所する契約をしたり、入院代を支払うために銀行でお金を下ろすこともできません。このようなことは、信頼できる家族の方と、事前に委任契約兼任意後見契約を締結しておいたり、信託契約を締結しておくことにより防ぐことができます。
相続税の申告は、相続があったときから10か月以内に申告する必要がありますし、相続税の納付についても、例えば遺産総額の約1割前後が納付税額となると仮定しますと、数百万円の税金を一括で納付することが必要になりますので、事前に納税資金の手当てを考えておかないといけません。特に、遺産の大半は土地ばかりで現金預金は余りないという方は、事前に相続人の誰かを死亡生命保険金の受取人とすることにより、相続税の節税だけでなく、納税資金の手当てをすることができますので、お早めに加入しておくべきでしょう。
これらのことは、事前に何も対策をしていないと、そのときになってからではどうすることもできないのです。
ご家族にこのような苦労をさせないためには、生前から、しかもできるだけ早い(若い)段階から、相続対策や認知症対策などの準備をしておく必要があります。
3 具体的に何をすべきか
具体的にどのような行動をするのがよいかと申しますと、
相続に関していえば、家族が困らないように、まずは「財産・債務の一覧表」を作成しておくことが重要です。
それから家族で争族争いにならないようにするために、「遺言書」を作成しておくことが必要でしょう。できれば、遺言書は「公正証書遺言」を作成しておくことが望ましいと思います。
また、認知症への対策としては、「任意後見契約」や「家族信託契約」を信頼できる人と公正証書により結んでおくことでしょう。
このほか、相続税の対策としては、人はいつまで生きるかは誰にも分かりませんが、ご自身の老後の生活費を確保した上で、子や孫への「生前贈与」を活用することが最も有効でしょう。ただし、贈与の方法にはいろいろとあり、それぞれにメリットとデメリットがありますので、専門家と相談しながら、ご自身の家族に合った制度を活用していく必要があります。
最近の相続で良く問題となるのが、相続した後の実家の自宅(空き家)の処分の問題です。生前から不要となった実家を処分するのかどうするのかをよく考えておくべきでしょう。
以上のように、考えておくべきことや準備しておくべきことはたくさんありますが、まずは、あなた自身が、生前にどこにどのような財産や債務があるかを明らかにしておき、財産の分け方や自宅の処分などについても、あなた自身の考え(意思)をはっきりさせた上で書面(財産目録、遺言書など)という形で残しておくことが重要になります。
残された配偶者や子供たちに負担をかけないようにするためには、繰り返しになりますが、あなた自身による事前の準備が大切だということです。
これらの問題については、ご自身でネットや書籍などで調べて行うことも可能かもしれませんが、できれば専門家のアドバイスを受けて行っていくことがベストな選択かと思います。ぜひ、当事務所にお気軽にご相談ください。