基礎から学ぶ遺言相続(相続26)

遺産分割は何が原因でもめるのでしょうか?

 遺産分割がもめる原因には、様々な原因がありますが、例えば、次のようなことがもめる原因として考えられます。逆にいうと、ここに記載した条件にあてはまる場合には、予めもめないような対策を立てておくことが大切です。

① 遺産のすべてが明らかになっていない(遺産を事実上管理している者がすべての財産を開示しない、あるいは、事実上生前から財産を管理している者が使い込みをしているがその金額を明らかにしない。)。

② 不動産の評価額をいくらとするかについて意見が分かれている(不動産の評価指標には、公示価格、標準価格、相続税評価額(路線価又は倍率)、固定資産税評価額などいろいろとあるので、どの評価指標に使うかで有利不利が分かれます。)。

③ 遺産として自宅と預貯金しかないケースでは、同居していた者が自宅を相続する(平等に分けるとなると、自宅を売却するしかないが、売却すると住む家がなくなる。)。

④ 遺産の大半が事業用資産であるが、事業を承継する相続人がそれを相続する(平等に分けるとなると、事業用資産を売却するしかないが、そうすると事業が成り立たなくなる。)。

⑤ 相続人の中で多額の生前贈与(特別受益)を受けた者がいるが、それを言わない又は明らかにしない。また、持戻して計算する生前贈与の金額の評価金額について争いがある。

⑥ 相続人の中に親の介護をした者がいるが、寄与分の有無及びその評価額について相続人間で争いがある。

⑦ 不動産は要らないが、現金・預金はほしいという相続人ばかりである。 

 これらを未然に防止するには、生前贈与を活用するとか、遺産に関する情報を開示するとか、遺言書を作成しておくといったことにより、相続争いを防止するように手当することが考えられます。

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