基礎から学ぶ遺言相続(遺言28)
認知症の者であっても遺言を作成することができますか?
認知症といっても、本人の判断能力のレベルは様々であり、まだら認知症といって、その日の天気や時間帯によっても差が生じることがあります。
したがって、認知症であるといっても、契約や遺言などの法律行為がすべてできないということではなく、具体的事実の中で、本人がその状況を把握した上で遺言などの意思表示を行ったということであれば、その意思表示は当然に有効ということになります。ということで、認知症だから遺言が直ちに無効ということにはなりません。
ただし、事後の紛争を防止するためには、客観的な証拠を残すという観点からすると、できれば医師の診断書を取得した上で、公証人が本人の判断能力の確認を行うという形の公正証書遺言によって作成した方がよいでしょう。