基礎から学ぶ遺言相続講座(遺言1)

 そもそも「遺言」とは、何でしょうか?

 日本公証人連合会のホームページ(公証事務 1遺言 Q1.そもそも何のために遺言をするのですか?)には、「遺言とは、自分が生涯をかけて築き、かつ守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうために行う遺言者の意思表示です。世の中には、遺言がないために、相続をめぐり、親族間で争いの起こることが少なくありません。しかし、今まで仲の良かった者が、相続をめぐって骨肉の争いを起こすことほど、悲しいことはありません。遺言は、上記のような悲劇を防止するため、遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続をめぐる争いを防止しようとすることに主たる目的があります。」とあります。

 日本は、戦前の長男が全財産を1人で相続する家督相続から、戦後の日本国憲法の定める法の下の平等原則の影響を受けて、各相続人が平等の相続権を主張することが多くなりました。これ自体は、別段問題となるわけではありませんが、各家庭の置かれた状況(例えば、財産が自宅しかない、事業を後継ぎに引き継ぎたい、障害のある子供のためにお金を残したいなど)によっては、被相続人としては、諸般の事情によって、かえって平等に相続することを望まないケースもあるかと思います。このような被相続人の意思を実現させるために、遺言があるのではないかと思います。

 遺言を作成する意義については、ついつい相続をめぐる争いを防止する機能に目が行きますが、もう一つの機能である「生涯をかけて築きかつ守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうために」遺言書は作成されるべきではないでしょうか。それが、被相続人の意思であるならば、自宅を売却してお金を均等にわけて今後の子供たちの生活に役立ててほしいということもあるでしょうし、残された配偶者の生活の本拠と老後の生活費をしてほしいということもあるでしょう。あるいは、後継ぎである長男に先祖代々の土地を守っていってほしいという気持ちもあるでしょう。自分の財産の処分は、(死後も)自分で決めるというのが民法の私的自治の原則ですから、その意思は尊重されるべきではないでしょうか。 

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