基礎から学ぶ遺言相続講座(遺言30)

遺留分侵害額請求の仕方は?

 遺留分侵害額請求権の行使は、相手方に対する意思表示によってすることになっています。これは、裁判上で行使する必要はなく、必ずしも書面によって行使する必要もなく、口頭での行使も可能です。ただし、実務上は、行使があった事実を後日の証拠とするために、内容証明郵便により書面を送付します。

 内容証明郵便により書面で送付する場合には、書面には、①請求する本人と相手方の氏名、②請求の対象となる遺贈、贈与及び遺言の特定、③遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求する旨(金額は具体的に特定しなくてもよい。)、④請求の日時を記載します。

 書面の記載例としては、例えば、「私は、Aの相続人で遺留分権者になりますが、貴殿が被相続人Aから令和〇年〇月〇日付遺言書により遺贈を受けたことによって、私の遺留分を侵害しておりますので、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求します。」という記載になります。

 なお、遺留分侵害額請求権の行使は、相続の開始及び遺留分を侵害する遺贈又は贈与があったことを知ったときか1年以内に行使しなければなりません。また、相続開始から10年を経過したときは、行使できなくなります。家族であれば、音信不通でもない限り、他の相続人は、死亡した事実を知っていますので、遺留分を侵害する遺贈又は贈与があったことを知った日から1年以内に請求しないといけませんので、意外とすぐに期限が来てしまうかもしれません。

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