基礎から学ぶ遺言相続講座(相続4)
各相続人の相続分はどれだけですか?
各相続人の相続分について、具体的事例をもとに見てみましょう(民法第900条)。
① 配偶者と子供2人 → 配偶者2分の1、子供それぞれ4分の1
② 配偶者と父 → 配偶者3分の2、父3分の1
③ 配偶者と兄弟姉妹 → 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
相続のルールとして、子、直系尊属、兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は相等しいことになっています。また、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とすることになっています(民法第900条第4号)。
それでは、二重資格を有する者の相続分については、どういう計算になるでしょうか(二重の資格での相続権を認めるのかどうか)?
孫を養子としたケース、子の配偶者を養子としたケースなどがあります。
先例(昭和36年9月18日民甲1881号民事局長回答)は、孫Cを祖父Aの養子としたケース(孫の父Bは既に死亡しているものとします。)みおいて、孫Cは、養子としての相続権と亡父の代襲相続人としての相続権との二重の資格を認めるとしています。
これに対して、先例(昭和23年8月9日民事甲2371号民事局長)は、子Aの配偶者Bを子Aの父の養子としたケース(配偶者Bは夫Aと兄弟となります。このケースでBの夫が被相続人となり、AB間には子がいなく、Aには兄弟Cがいるとします。)において、Bには、配偶者としての相続権のみを認めて、兄弟として相続権を認めていません。