基礎から学ぶ遺言相続講座(遺言15)

遺言執行者を定めた場合と定めなかった場合の違いは?

1 遺言執行者を定めていない場合

 遺言書で遺言執行者を定めていない(又は定めていた遺言執行者が亡くなった)場合は、利害関係人の請求により、家庭裁判所が選任することになります(民法第1010条)。

 通常、遺言執行者が選任されてから預金の解約等の手続を行うまでには数か月を要することになりますので、この間に葬式費用の支払など、相続財産から支払を行うことができませんので、別途自分のお金で立て替えることになります。

 また、遺言執行者が定めれていない場合の不動産の相続登記については、相続人全員が行う必要があります(相続人全員の印鑑証明書が必要です。)ので、場合によっては一部の相続人の協力が得られない(登記手続きに当たって、承諾書への押印に応じないとか、あるいは印鑑証明書の提供を受けれない。)といったこともあり得ます。

2 遺言執行者を定めてある場合(遺言書は検認手続が不要な公正証書遺言又は法務局保管の自筆証書遺言に限ります。)

 遺言書に遺言執行者が定めてある場合は、遺言執行者は、すぐに遺言内容を執行する手続である相続手続ができます(民法第1012条)。不動産の相続登記については、登記申請書に添付する印鑑証明書は、遺言執行者の印鑑証明書のみでできます。

 そうしますと、遺言執行者がいる場合には、遺言で財産を取得する相続人や受遺者は、相続開始後、他の相続人の協力を得ないで、直ちに預金の解約や不動産の相続登記ができますので、この点は非常に大きなメリットといえます。

 以上のことを踏まえますと、遺言書には、信頼できる人を遺言執行者に定めて記載することをおススメします。

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